雑記 「柿木畠水掛け神輿」

開業からしばらく経ち、やや落ち着いてきました。
ただ、事務所の整備とか物品の買い入れがようやく一段落したというようなところであり、未処理になっている「やりたいこと・考えたいこと」は多くあります。
ウェブ上の発信もその一つで、まだ思い描いていたところまでは来ていません。
もっと相談のしやすい環境づくりを実現するため、取り組みを進めようと思っています。

6月中旬以降、眼や目の周りの腫れ・かゆみ、鼻の奥の痛み、中耳炎、外耳炎、顎痛、頭痛、体のだるさなど、次々と出現しましたが、なんとか頑張って立ち直りつつあります。
特に5月・6月とにかくいろいろ同時並行で進めたのと、食生活がおろそかになっていたことが影響しているかなと思います。
私は、これまであまりお医者さんには行かないほうでした。自分で何とかできるのかなと思っていました。ただ、だんだんと自分でもわかってきたのですが、どうも、私が「つらい」と言い出しているときには、医学的にはけっこうひどい状態にまでなっている傾向があるようです。そういう状況になって、寝てしばらくしても治らずに我慢ができなくなってから対処をするというのは問題があるかなと思うようになってきました。

それで今回は、自分なりには「さすがにつらい」となってから早めに病院に行きましたが、それでもまだ人から見ると遅いようです。眼科も耳鼻科も、ひどさの山に達した後に行きましたので、遅いのだと思います。
自分がつらさを我慢していればいいというだけではなく、自分のパフォーマンスが十全に発揮できない他の方にご迷惑をおかけしてしまうとも思うので、今後さらに自分のメンテナンスに気を遣うようにしたいと思います。

今日は日曜ですが、事務所の整備などで事務所に来ています。
金沢法律事務所のある香林坊・広坂・柿木畠・片町付近は、土日祝にイベント・お祭りが多いです。
ですので、9階にある事務所からそれらを眺めることができます。

今日、2016年7月24日は、柿木畠で、「第10回 柿木畠水掛け神輿」が開催されていました。

事務所から見える風景
事務所から見える風景
2016年7月24日 柿木畠商店街のお祭り
2016年7月24日 柿木畠商店街のお祭り

百万石通り(香林坊交差点~広坂交差点)の側でのイベントが多くて、柿木畠を行列が通るのは珍しいです。柿木畠は、地名も街の雰囲気も趣があり、いくつもいい店がありますから、より存在感が高まるとよいですね。

おそらく規定があるのだと思うのですが、金沢法律事務所の近辺では、平日は、音を出すイベントは開催されないようです。ですので、街の中ですが、平日は相談も執務も、静かな環境の中でできています。
現在、基本的にはご相談は平日にしておりますが、将来的に土日祝のご相談をするとすればどのように環境を作っていくか、課題はあるかもしれません。

金沢法律事務所、はじまりました。

金沢法律事務所、はじまりました。

香林坊交差点の近くのビルにあります。

まだまだ慌ただしいですが、だんだんと情報発信をしていきたいと思います。

事務所のウェブページは、BengoKanazawa.jpですが、内容はまだ未整備です。これから頑張ります。

金沢法律事務所入口
金沢法律事務所入口
金沢法律事務所サイン
金沢法律事務所サイン

近時の状況(今年は大きく変わります!)

更新ができていません。書きたいことはちょくちょく思い浮かんでいるのですが、こういうのは習慣と意欲ですね…。

以前シリーズ化しようと思ったものもそのままですね。特に、選挙制度(投票価値)については、弁護士になる前から私なりにいろいろ調べていて、私なりにアクションを起こしたい気持ちを持って今年を迎えたのですが、これは1人で片手間では簡単なことではないですね。諦めてはいませんが。
大まかに言うと、私は、国政選挙は極力投票価値を等しくすべきであり、最大格差を無理矢理縮めて急場をしのぐという現在のやり方は論外だと思っています。都道府県など地方公共団体ごとの権利を主張して投票価値の原則の修正を図る(挙げ句にはそのための憲法改正を主張する)のも違うと思います。ちなみに、選挙制度の改正の際には、人気取りのために定数削減を言う政治家が多いですし有権者が呼応しやすいのですが、定数削減の議論が延々となされているのもおかしくて、適正な人数や制度の議論であるべきです。

他には、相続・遺言について、現在どのような制度になっているかわかりやすくご紹介したうえで、現在国会や政党で議論されている法改正についてはしっかり追っていかなければいけないと思っています。ふつうに、まっとうに生きている人が、自分で何かを引き起こしたわけでもないのに遭遇してしまう法律問題ですが、知っているか知らないかで差がつくことも多いので。

今年は、私の執務態勢が大きく変わる予定です。
2016年4月~6月上旬は新態勢の諸準備や研修受講などがあるため、新しい案件・ご相談の受任が困難です。また、私は、5月・6月は事務所にいないことがかなり多いと思います。ご迷惑をお掛けします。ご依頼中の案件は責任を持って取り組みます。
6月半ばころには金沢でバリバリ復帰する予定ですし、皆さんに知ってもらいたいと思うので、ウェブ上でも新態勢を展開していきます。

金沢市長辞任の謎

これは、このブログにふさわしい記事なのか分からないが、最近の私の情報発信の場所がここなので、とりあえずここで…。

山野之義金沢市長辞任

山野之義金沢市長が名古屋競輪の場外車券売場の誘致に関し、金沢市松村のゼノンビルの管理業者「太晃産業」の太田代表取締役の求めに応じ、誘致に同意する文書に署名押印したという問題は、以前から知られていた(北國新聞記事2013/03/27)。

それでもなお、山野市長は、2014年12月に予定されていた市長選に再選出馬するつもりだった。

しかし、自民党の推薦選考の終盤、馳浩衆院議員(石川1区)が保有していた「資料」により、山野市長が上記の業者に対し、場外車券売場が誘致できない場合に誘致対象地にリサイクル施設を作る等の提案をしたなどという指摘が行われた。

それにより、市議会自民など主要会派が百条委員会(地方自治法100条に基づいて地方議会が自治体の事務の調査をするために設ける特別委員会)の設置を示唆し、山野市長に再選出馬断念どころか、実質的に辞任を迫る形になった。

山野市長は、百条委員会の設置を強く嫌気し、辞任した。とってもあっさりした結末だった。

追い落とし

素直に見れば、市長選の再選を阻止する材料を持っていた森-馳浩-下沢ラインが仕掛けた動きであり、追い落としを試みたものである。石川県では、この系統が自民の主流だと見てよいと思われる。

山野前市長が自民の主流から追い落とされたのは、前回の2010年の市長選の経緯による。多選の山出保市長への対抗馬を自民(森系)が模索していたのだが、下沢県議などが勝てるとは限らずへっぴり腰になっていたところへ、猪突猛進、山野市議・安居市議などが手を挙げ、山出氏の対抗馬が山野氏に一本化された上で、自民は山出氏と山野氏を両者推薦ということになった。そして、結局、多選批判などで山野氏が当選したのだが、もともと森系のお抱え候補ではないのと、市政運営批判から、隙あらば引きずり下ろしたいという状況にはあったわけである。

それで、市長選に向けてベストのタイミングで、スキャンダルが破裂させられて、立候補不可能または立候補しても落選する・・・というふうになったということだ。

ただ、そもそも場外車券売場というようなものの誘致のために、わけのわからない書面に署名押印して、おかしな業者に動かれるということ自体、適格性を疑われることだし、揚げ足を取られるべくして取られたというところもあるのだろう。

弁護士の動きの謎

この騒動の中で面白かったのは、山野氏の主張として、「金沢市役所の顧問弁護士として月10万円で雇ってほしい。そうすれば業者を抑える。」と山野氏に言った弁護士がいて、その弁護士は太晃産業の代理人だということなのだった(読売新聞記事2014/08/14、北陸中日新聞2014/08/13、あくまで山野氏の主張)。

そして、山野氏の行為が公選法違反(利害誘導)などにあたると主張したのは、その弁護士なのだった。

顧問弁護士としての売り込みの真偽はともかく、山野氏は太晃産業と組んで何かしようとした又は太晃産業系統からの圧力に屈したせいでこうなっているわけで、山野氏の行為が刑事罰対象であるとあえて指摘するということはちょっと異様なこと(自分の依頼者側も共犯者なのではないか?)で、何を意図しているのかと訝りたくなる。

地元メディアの「奥歯に物が挟まった」感

地元石川県のメディア、新聞報道など読み尽くしたわけではないけれど、特に北國新聞なんかはいろいろと情報は集まっていそうなのに「奥歯に物が挟まった感」がある。特に山野氏の辞任の後は「疑惑に幕引きが図られ、詳細は明らかにならず」という、上っ面の報道である(新聞がまとまって分析したのは、市長辞任にあたってひととおり特集を組んだそのコーナーの中くらいだと思う…。地元対象で突っ込んだ報道をする雑誌メディアなどそもそもないし)。

公のことについては、もうちょっと突っ込んで報道してほしい。「推測」「憶測」「うがった見方」を提示するところまでしなくても、関係者の話を照らし合わせるなどして、判明した事実は報じて、考える材料を与えてほしいと思う。

名古屋高裁金沢支部が金沢地裁の裁判員裁判判決を破棄

金沢地裁の裁判員裁判判決,初めての破棄!

自宅放火、男に猶予刑 石川県内初、裁判員判決を破棄 名高裁金沢

自宅に火を放ち全焼させたとして、現住建造物等放火の罪に問われた本籍金沢市、無職 ◆◆◆◆被告(51)の控訴審判決で、名高裁金沢支部(彦坂孝孔(たかのり)裁判長)は17日、懲役3年6月(求刑・懲役5年)の一審金沢地裁の裁判員裁判判決を破棄し、懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡した。裁判員裁判の判決が破棄されたのは石川県内で初めて。
判決理由で彦坂裁判長は「精神障害が犯行に大きく影響を及ぼしていることは明らかである」と指摘。心神耗弱状態であったと認めながらも、量刑を決めるにあたって十分考慮しなかった一審判決には誤りがあると指摘した。精神障害の内容に踏み込むことになった今回の裁判について、弁護人は「裁判員裁判で、市民がいきなり科学的な内容を評価するのは難しいのではないか」と述べた。

判決によると、被告は昨年2月10日夜、自宅で遊ぶおいを静かにさせるよう被告の父に求めたが、聞き入れられずに憤慨。1階和室の布団に灯油をまいて火を付け、自宅を全焼させた。

私は,この事件,特に注目していたわけではなかったが,この事件が金沢地裁の裁判員裁判の初の破棄ケースとなった。

4月18日付の北國新聞本紙(朝刊)には,上記の記事のほか,元大阪高裁判事の江藤正也弁護士(金沢弁護士会)の見解も取り上げられている。江藤弁護士は,市民の常識だけで法的な判断をするのが難しい場合もあることを指摘している。

私の考え(まだ煮詰まってませんが…)

私も,裁判員裁判における責任能力の扱われ方には難しさを常々感じている。私は,裁判員裁判の判決文原典に当たって細かく検討しているわけではないが,報道ベースでは,どのような事件類型がどのように扱われ,どのような争点・主張がどう扱われやすいかということについて,着目し続けている。

その中で私が感じるのは,よく,裁判員裁判の判決は,「確かに被告人は法律的には心神耗弱にあたるが,刑は特段軽くする必要がない事例である」という考え方をしていることがわりあい多いのではないか,ということだ。精神障害が犯行に与えた影響についての判断とナチュラルな処罰感情との切り分けが,一般市民には容易ではないように思う。事案を計算式に当てはめて答えを導くべきところなのに,答えが先にあって無理に理屈を付けるとひずみが出てしまうということだろう。

でも,答えを決めてから理由をつけていく,というやり方自体は,むしろ多くの法律家(特に裁判官)が身につけているテクニックではある…。裁判員裁判の出した結論とその理由づけが,裁判官的な理屈でフォローしきれないところまでに逸脱しているとさすがに控訴審で破棄ということになるのかなぁと私は何となく思っている…。

そういう意味では,逸脱やブレがあっても滅多には破棄されないから,裁判員裁判でおかしな見方をされて判決を出されても,それを控訴審で取り戻すのは困難かなと思う。現在の名古屋高裁金沢支部がそのへん(裁判員裁判の判決の破棄)について柔軟ならよいかなぁと私は思うのだが…。