このたび、社会福祉士国家試験に合格しました。
弁護士が携わる問題には、随所に「社会福祉」が関わってきます。特に、成年後見など高齢者障害者についての問題、子どもの問題などにおいてです。しかし、弁護士になるまでの勉強では、社会福祉の制度・歴史・考え方・現状を専門的に学ぶわけではありません。実務を通じて知ること・必要に応じて勉強することが多かったわけです。ある程度まとまった形で勉強をしたいと思い、レポート学習や試験勉強に取り組んでいました。
福祉施設での実習(フルタイム23日間)や演習では、高齢者などサービス利用者との面接技法やケアプランを学びました。特に、実習は、前の勤務先を退職して新事務所を設立するタイミングと同時並行でやっていたので、かなり大変でしたが、価値ある経験になりました。弁護士としての仕事の中でも活かしたいと思っています。
社会福祉士の資格者だけができる「独占業務」はありません。一般的には、福祉施設・社会福祉協議会・行政・病院などで働く方が取得する「プラスアルファ」の資格として考えられていますが、活かし方にはバリエーションがあります。
私は、今後も、仕事の軸足は「弁護士」に置き、一般的な訴訟や会社法務も含め、引き続き取り組んでいきます。成年後見など高齢者にかかわる仕事にはさらに力を入れていきます。その中で、社会福祉の知識や技能を取り入れていきたいと思っています。社会福祉の分野に限らずですが、さらに勉強の範囲を広げ、深めていきたいと思います。
社会福祉のあり方は社会にあり方そのものに直結します。日本では、社会のあり方や制度についての議論が足りないまま、仕組みが作られることが多いと思っています。知識を弁護士としての個々の業務に活かすだけではなく、社会のあり方、公の制度のあり方について発言をし続けていけるよう、努力を重ねていきたいと思います。
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