10月5日に投票が行われる金沢市長選に向けてお伝えする「選挙おくちいっぱいメモ」。
今回は、特別篇として、「動員」について取り上げます。
勤務先などで、選挙のために人員を集めて何かをさせることを動員と言います。
動員の目的は、大きく分けて、選挙運動のためか投票そのもののためです。
選挙運動に関しては、どうしても実働部隊が必要だというところがあるようです。たとえば、選挙の公示日の朝、掲示板に一斉にポスターが貼られている様子を目にしますが、公示日翌日になっても貼られていない(貼り漏らしがある)候補者もいます。これをきっちりやるには、人手が必要です。
そうした作業をどうやってするのかについては、それぞれ違いはあるでしょう。
投票に関しては、投票日における投票を強く促されるほか、期日前投票の制度ができてからは期日前での投票を強く推奨される形で「動員」がかかるようです。
この投票の催促・推奨は、組織が特定の候補者を推薦・支持・支援しているようなときに、特定候補者への集票を企図して行われることが多いようです。
これ自体は、公職選挙法上、違法ということにはなりません。
ただ、バスに集団を乗せて投票所近くまで運んでいく、というところまでやると、やり過ぎと感じます(やり方によっては、刑罰法規に触れることもあるでしょう)。
なお、投票所に赴き、そこで、誰の名前(または政党名)を書くかは自由です。候補者や政党の主張や信用性によって判断すればいいということになります。また、動員にあたって政策の良し悪しについての説明さえ十分になく、一方的になされた動員の効果を薄めたいというなら、むしろ別の人や政党の名を記入するというのも有力な手段でしょう。
しかし、本来は、誰かに従うとか反発するという感覚で投票先を決めるのではなく、投票行動は各人で考え、それをもとに議論した結果の反映であるべきです。
以上、「選挙おくちいっぱいメモ」は「動員」についてお伝えしました。