理化学研究所(理研)は小保方晴子氏をユニットリーダーとした「STAP細胞」の研究について,捏造の不正行為があったとして,厳正な処分を予告し,論文の取り下げを勧告するとした。
理研の内部調査結果は,基本的に不正行為が小保方氏個人によりなされたという認定のようである。
報道から読み取るに,不正行為があったとする認定については裏付けがしっかりしていて大方間違いのないところだろう。ただ,理研という組織の内外でどのような流れで不正行為がまかり通ってしまったのか,それについては何ら明らかになっていないように思う。
理研は,ある意味自浄作用がある組織なのかもしれないが,出現した菌を一気に消毒すればそれで解決というものではないだろう。
大学生・大学院生がコピペを使ってうまくやったときに,それを見抜けず食い止められず,それをもって就職してしまう。特に小保方氏に限らないことのように思う。
小保方氏をユニットリーダーにした研究が始まった経緯を含め,できるだけ洗いざらい解明し,理研で同じようなことが起きないように,また理研のみならずほかのところでも同じようなことが起きないようにしていくことが重要だろうと思う。
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金沢法律事務所(石川県金沢市)を主宰する弁護士

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