ちょっと昔,「雪国はつらいよ条例」騒動というのがあり,その騒動というのは,新潟の魚沼のある自治体が制定した「雪国はつらつ条例」というのが,「雪国はつらいよ条例」として教科書に載ってしまったというものです。石川県も雪国で,冬場つらいことが多いです。雪国という言葉に明確な定義はないようですが,石川県は,雪国度において,新潟県よりは下,宮城県よりは上といったところでしょう。
それは,ともかく・・・,弁護士は,正負で言えば,負のことに関与することが多い仕事です。仕事としてやっているので,そんなものといえばそんなものです。「本人」の立場で直面するのとは,意味合いが全く異なるでしょう。負の立場に置かれた人のために仕事をして,すっきりと解決してよかったなと思うこともあれば,「負」に飲み込まれてしまいそうになることもあります。これは,「事案」にもよるし,同じような事案でも「人」の動きによるのですが。
弁護士になってしばらくは,合理的ではない行動をとりまくっている人とか,自分から厄介ごとに首を突っ込んでいく人とか,意味が分かりませんでした。「高校デビュー」とか「大学デビュー」とかいう言葉があり,それらは自分をこじらせてしょーもない自己アピールにいそしむことを指しますが,「弁護士デビュー」の場合は多くがめぐりめぐってくる事柄との遭遇により生じることなので,受け身であがく形になります。しかし,人間の心の動きには典型例があるようです。私は,いろんな種類の人たちの思考過程・思考パターンに慣れてきた気がします。
でも,最近,ここまでやる者もいるのかと思わされることがありました。一度だけ法律相談をした人が,「○○○○(その相談者)代理人弁護士山岸陽平」の名をかたって他人に振込を行い,山岸弁護士が代理人に就任しているという嘘を信じ込ませようとした,ということがあったのです。そもそも,その相談は半年くらい前で,相談者とはそれ以降会っておらず,それ以降のことを全然私は知りませんし,無関係なのです。「▲▲弁護士に相談している」とか「今,依頼をしているところだ」ということを大げさに口先で言う人はわりと多いですが,嘘を信じ込ませるためにそこまでするとは…。
少なくとも,弁護士法違反,有印私文書偽造,同行使の犯罪行為です。弁護士の立場は法律によって規律され,守られているともいえますが,こんな簡単に犯罪に巻き込まれるというのも,「弁護士はつらいよ」というところですね…。
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